思うこと Part.1

とりとめのない文章で終わり・落ちを期待せずに読んでください。思ったことを殴り書きしてるだけなので面白いかどうかは分かりませんが。

割とライフワークに近いのだけど、なぜ、日本は太平洋戦争を始めたか?と、いうテーマでここ半年ぐらい書物を読み漁っているのだけど*1その中で旧大日本帝国海軍に井上成美大将というが登場する。
この井上大将が、江田島にあった海軍兵学校の校長をしていたときの話に教官全員から英語の教育をやめるような声が上がった。そのとき井上大将は、次のように答えた。

一体どこの国に他国語の一つや二つしゃべれない海軍兵科将校があるか。そのような海軍士官は海軍士官として世界に通用することは出来ない。好むと好まざるとにかかわらず、英語がこんにちにおいても尚、海事貿易上世界の公用語であることは明らかな事実であって、事実はこれを事実として認めざるを得ない。
(中略)
兵学校教育の目的は、識見と教養とを備えた真にジェントルメンライクの、将来何処に出しても羞ずかしくないだけの海軍将校の素地を養うにある。言いかえれば大木に成長すべきポテンシャルを持たしむるにある。優秀な生徒が陸軍へ流れるというなら流れても構わぬ。外国語一つ真剣にマスターする気の無いような人間は、帝国海軍の方でこれを必要としない。近時日本精神作興拝外思想排斥の運動の盛んなるはまことに結構なことであるが、これを主張する人々を冷静に観察してみると、島国根性の短見を脱していない者が多いのは遺憾であって、諸官は似て非なるかかる愛国者の浮薄なる言動に迷わされることなく、本校においては英語のみならず、今後も普通学の教育に一層の力を入れてもらわねばならない。たとい多数意見であろうとも、本職在任中英語教育の廃止というようなことは絶対にこれを行わせない方針であるから、左様承知をしておいてもらいたい。(阿川弘之著「山本五十六」より抜粋)

思うにだけど、将来、海軍の将官になるべく人材の育成をするに当たって識見と教養とを備えた紳士を育成するという考えを井上大将は、考えていた。この思想は今でも重要だと思う。それは、人材育成という点においても同じだろう。戦時中、こんな思想を持って人材の育成をした結果、戦後日本の復興に対してどのくらい役だったかということを考えると深い物があると思う。

つづく。

*1:歴史観の知識ではなく、政治プロセスの延長である戦争がなぜ起こったのか?と、いう課程において今のビジネスや経営戦略の参考になればと思ってがきっかけ。