オリンパスとか国際競争力とか。

オリンパスの社長にマイケル・ウッドフォードさんが就任したとき、「へー、オリンパスも新しい血を入れたいのかぁ」って思ったのが今年の4月だったかなぁ?で、7月頃、突然解任されて今回の騒動なんだけど、まあ、酷いもんだなぁと思った。

日経のWeb版で「オリンパス、菊川前社長ら告発も 社長会見詳報」の中に・・・

 ――第三者委員会が発足して、一週間で様々な事実が判明している。長い期間、自社の中で分からなかったのはなぜか。

 「社長を中心とした当事者3人が情報を全く出してこなかったことが理由だと考えている」

 ――10月27日の会見では社内の機密情報を外部に流出したウッドフォード氏に憤りを感じると言っていた。今、菊川氏や森氏に憤りを感じるか。

 「感じている」

 ――ウッドフォード氏の解任は独断専行の行動が原因としているが、評価に変わりにはないか。

 「変わっていない」

っていう下りがある。ウッドフォードさんは、ある意味正しいことをした。たぶん、社長に就任して疎外感を感じていた部分があったのだろうね。で、独自に調査を始めて分かったことが今回の事だったんだろうね。高山社長さんが、「知らない」って答えているけど、取締役に対して機密情報を明示していなかったっていうのは、そもそも取締役会が正常に機能してなかったって事か、取締役の人達がみんな人を信じるいい人ばかりで当事者3人に本当にだまされていたかのどちらかなんだろうね。株主代表訴訟が楽しみだわ。

自分が株主だったら、ウッドフォードさんに再度社長に就任してもらって過去の経営者の責任追及を行ってもらいたいと考えるだろうね。

社長ですらハブにされて首にする日本企業

オリンパスの経営陣は、なんのためにウッドフォードさんが、迎え入れたのだろうか?当然、今回の問題が露見する可能性があっただろうに。たぶん、思ったようにウッドフォードさんが動かずコーポレートガバナンスに対してリテラシが高かったんだろうね。だから首を切った。しかも、正しいことをやろうとして「会社の機密情報を暴露した」と、いう理由で。こんなことで日本の企業っていつまで経っても事なかれ主義な割には、グローバル化とかを叫びたがる不思議な習性がある。オリンパスって内視鏡の分野では世界トップクラスの企業なので残念この上ない。経団連が、国際競争力を連呼するが、それってなに?値段なの?性能なの?なんなの?って思った。

会計システムの破綻

元々、監査法人あらた監査法人で、問題をオリンパスに指摘した次の決算終了後、契約終了。そのあとを引き継いだのが、新日本有限責任監査法人。ということで知っていた可能性が高い新日本有限責任監査法人は、どうするんだろうね。ダイアモンドの記事あたりを読むとどういう監査法人かがよく分かるのでおすすめ。世界経済フォーラムが出すレポートの中*1に「Strength of auditing and reporting standards」っていう項目があって会計監査の強さっていうのかなぁ?一位は、ニュージーランドで日本は、38位。ちなみに南アフリカとかがかなりよかったりする。まあ、国際競争力は、半分ぐらいは信頼される事じゃないか?と、思うだけどね。

思ったこと。

今回の件をみてオレの印象。

  1. 株主をだますことに一切の躊躇がない
  2. 故に不味い事は隠す
  3. 併せて大企業になればなるほどコーポレートガバナンスに対する考えが希有
  4. 対応が下手


今回の件だけに特化するとウッドフォードさんにすべてを話して対策を検討、交代役員の選考、主要株主への対応と今後についての事前説明、法的対応などについてある程度目星が経ったところで報道発表かなぁ?そういう意味で最後のチャンスだったんじゃないかなぁと。

これからもこの件はちょっと興味深く見てみたいなぁと思う事でした。